在留特別許可で注意すること「必ずビザはもらえる?」 | ビザ・インフォメーション

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在留特別許可で注意すること

在留特別許可(本手続きで注意すること)

「必ずビザは貰える?」

オーバーステイをしてしまった外国人も、その人の事情・状況によっては正式なビザを与えられる可能性があるということは、我々・行政書士が教えるまでもなく外国人とその関係者の間では割と普通に知れ渡っていることのようです。東京入国管理局の調査第3部門に行きますと、在留特別許可を求めて出頭なさっている外国人とその関係者を本当に多数見ることができます。行政書士と同伴で出頭されている方もいらっしゃれば、そういう専門家に依頼することなく単独で出頭されている方も多数いらっしゃいます。私も何度も出頭者の方に同行して入国管理局に参りましたが、そこで感じたことを申し上げます。それは、

この手続きが退去強制手続きの一環であること認識していない方が少なからずいる。


ということです。本来、オーバーステイを含めた退去強制事由に該当する外国人に対して在留資格(ビザ)を付与する手続きは存在しません。この点は入国管理局の方も在留特別許可の請願のために出頭した人に最初に以下のような注意書きを手渡して自覚を促しております。

参考資料:入国管理局・調査第三部門配布「在留特別許可申請という申請はありません。
参考資料:入国管理局・調査第三部門配布「在留特別許可申請という申請はありません。

そうです。この手続きは不法滞在をしている外国人にビザを与えるためのものではなく、違反した外国人を日本国外へ追い出す退去強制手続きの一環なのです。しかし注意書きにもありますように「法務大臣から特別に在留を認められた場合に限り、引き続いて日本で生活できるようになる」のです。あくまで「日本から出国させる」という前提があり、例外として「日本に在留することを認める」というのです。

入国管理局の調査第3部門の待合室にいますと、どうも上記のような前提を忘れているか、もしくは全く知らないかという出頭者と遭遇することがあるのです。受付での担当者の厳しい質問に、ニヤニヤして緊張感を全く感じない態度で臨むカップルや、はなからビザをもらえることを当然のことと考えて出頭し、受付でかみ合わない口論を延々と続ける方を見かけることがあるのです。

どうしてこんなことが起こるのでしょうか。それは「ビザが出るのが例外である」という原則があるにもかかわらず、ある条件に当てはまる外国人はこの手続きをして殆どの場合がビザを貰っているからです。そしてその成功体験が同じ国の人同士のコミュニティの間に広まり、代々語り継がれているわけです。それがいつの間にか「退去強制手続き」であるこの手続きの本来の姿を忘れさせ、「ビザを与える手続き」に変化させてしまったのです。

この手続きを経てビザを取得した人には「簡単にもらえたよ」と言い放つ方も多くいると思います。自分がこの手続きを受けたときにはおそらく担当官から相当きついことも言われたはずなのに、ビザが出てしまうと嬉しさと安堵のあまり、そんな苦しかったことも忘れてしまうのでしょう。

ある条件に当てはまる外国人」とはどんな人のことを指すのでしょう。代表的なものは「日本人と結婚している外国人」です。日本人と結婚していて、その結婚が真実のものであって、その結婚生活が安定したものであり、入管法以外の法律に違反をしていなければ、比較的容易に在留特別許可がされています。(といいますか、不許可であったケースはあまりお目にかかりません。)その他にも永住者と結婚しているケース、日系人と結婚・または「定住者」ビザの人と結婚しているケース、さらには家族全員がオーバーステイになっていて、子供が義務教育を修了しているなど生活基盤が完全に日本に根付いてしまって今更日本国外に追い出すのも人道的にはばかられるというようなケースなど、様々あります。

在留特別許可は、その退去強制事由に該当する外国人の在日歴や家族関係などの個人的な事情だけでなく、国際・国内情勢や人道的な見地などを総合的に判断し、法務大臣の自由裁量に基づいて恩恵的措置として与えられます。したがってこの手続きは不法滞在している外国人がビザを求めるための請求や申請、あるいは権利というものではありません。仮に在留特別許可が認められなかったとしても法務大臣の自由裁量・恩恵的措置である以上、その判断に文句は言えないはずなのです。当事務所におきましても、書類を完璧に作成することは心がけますが、ビザの許可が出るという保証はすることができません。

とはいっても、「日本人の配偶者」であれば高い確率で在留特別許可が下りるという事実は現在でも続いております。それであればこそ、我々行政書士もお客様から依頼があった際には、虚偽・不誠実な案件でない限り受任するようにはしております。これからも依頼があった場合には受任することになろうかと思います。そこで当事務所に「在留特別許可の請願」手続きを依頼することをお考えのお客様に、以下の事柄を申し上げたいと存じます。

  1. 当手続きが原則として「ビザを付与する手続き」ではなく、退去強制手続きの一環であることを認識する。
  2. 「あの人でビザが出たのだから、私たちも当然出るはずだ」とは考えない。
  3. 在留特別許可がもし下りなかった場合に、どのようにするのかを念頭に置く。

当事務所では依頼を受ける前に、お客様に上記の事柄を理解していただきます。「1」はこれまでの説明で何度となく触れてきたことです。「2」については在留特別許可が、その時々の様々なファクターをもとに法務大臣が自由裁量で恩恵的な措置を講じるという性格があることから、是非とも念頭に置いていただきたい事柄です。そして「3」ですが、もしそのような事態になってしまった場合は、当該外国人は退去強制に処されることになります。一定の期間は再来日が認められません。そこでこの処分を取り消すように求める行政訴訟を起こすのか、あるいは外国人に一度日本を離れてもらい然るべき期間が経過したあとに再来日のビザ申請をするのか、あるいはもう諦めてしまうのか。急いで結論を出す必要は全くありませんが、そういうことも多少頭に置きながらこの手続きに臨んで頂きたいというのが、当事務所がお客様に望むことです。

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